賃貸借契約を解除できる場合について

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賃貸借契約を解除できる場合について

まず、法律上の「契約の解除」とは、
契約当事者の一方の意思表示によって、
契約を無かったことにすることをいいます。

 

賃貸借契約にかぎらず、法律上、契約が成立した場合は、
契約を解除できる場合は限られており、
簡単にすることはできません。

 

合意解除と法定解除

賃貸借契約を解除できる場合としては、
合意解除の場合と法定解除の場合があります。

 

合意解除とは、契約当事者双方による合意による解除をいいます。
合意解除はお互いが納得してする解除ですので、
特に制限はありません。

 

法定解除とは、「法律の定め」による解除をいいます。
つまり、法律に「このような場合は解除できる」という定めがある場合に、
それにしたがって解除する権利を行使するということです。

 

「信頼関係破壊の理論(背信行為論)」

例えば、民法という法律に債務不履行の場合には、
契約を解除できるという定めがあります。

 

賃貸借契約は、賃借人は賃料を払うという義務(債務)を負いますが、
この義務が履行されない場合(家賃を支払わない場合)
賃貸人(大家)は、賃貸借契約を解除できるということになります。

 

ただし、家賃の支払いを1日遅れたから、即契約解除ということはできません。

 

賃貸借契約においては、
「信頼関係破壊の理論(背信行為論)」
という考え方があります。

 

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「信頼関係を破壊」するほどのものかどうか

簡単にいうと、多少の債務不履行、違反があっても、
それが当事者間の「信頼関係を破壊」するほどのものか
どうかが判断され、信頼関係を破壊するほどではないという場合は、
契約を解除することはできず、信頼関係を破壊するようなことと判断されれば、
契約を解除できるということになります。

 

「信頼関係の破壊」にあたるかどうかは裁判所が個々の事情から判断しますが、
裁判例でその傾向を見ると、
家賃の不払いについては、数か月賃料を滞納した場合に、
信頼関係が破壊されてものとして、
賃料滞納を理由としての契約の解除を認めています。

 

明確に「何ヶ月以上滞納したら」という線引きはありませんが、
1日、2日、家賃の支払いを遅れた程度では、
信頼関係の破壊に至るとはいえないということになります。

 

また、民法という法律において、
賃借人が、賃貸人に無断で目的物を転貸または賃借権を譲渡してしまった場合、
賃貸人は賃貸借契約を解除できるとしていますが、
この場合も「信頼関係破壊の理論(背信行為論)」で
判断されます。

 

つまり、この場合も、単に無断転貸または無断賃借権譲渡があったからといって、
賃貸人は契約を即解除ということはできず、
賃貸人と賃借人の信頼関係を破壊したといえるほどの事情がある場合
でなければ、契約を解除することができないというのが裁判例です。

 

と、このように、賃貸借契約においては、
民法という法律に「解除できる」と規定されているにもかかわらず、
実際は、ただ単にその条文を額面通りの解釈ではなく、
踏み込んだ判断がされる場合がありますので注意が必要です。

 

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